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24th
津波
岩手県の三陸海岸は津波の多いところで、海岸にある村が、何十年目かに一度さらわれてゆきます。この海岸は、山が海にせまり、よい港はたくさんあり、漁をするのも便利なのですが、田や畑をひらいて百姓をするには不便なのです。ですから、ほとんどの人が漁をして暮らしているので、どうしても海辺に家のあるほうがつごうがよいのです。長いあいだ、津波もないから、もういいだろうなどと思って、海辺に家をたてているとひどい目にあいます。あわてて山のほうへ家をたてて住んだのですが、いつかまた海辺へ家をたてるようになる。するとまたひどい目にあう。それをくりかえしているにすぎません。そして、やはりそういうところで平和な日をたのしむことも多いのです。
このようにいつ天災があったか、またいつ大きな出来事があったか、ということのわかっているものもたくさんありますが、もうすっかり人の忘れてしまっているようなことがずいぶんたくさんあります。
<図/岩手県気仙郡唐丹村(けせんぐん・とうにむら)。昭和8年以前の村、昭和8年以後の移転した村、昭和8年に津波のおしよせてきた線>
— 『ふるさとの生活』宮本常一
「一 ほろびた村」より
3 村をほろぼした原因
「一 ほろびた村」より
3 村をほろぼした原因